来たる2015(平成27)年、日本赤十字社の看護師教育は125周年を迎えます。そこで、本稿では、看護師教育とともに歩んできた同窓会の歴史、中でも創生期に焦点をあて、同窓会の始まりと尽力された先輩の姿を皆さまにご紹介します。
日本赤十字社の看護婦養成は、1890(明治23)年4月より現日本赤十字社医療センターの前身である日本赤十字社病院で開始されました。第1回入学生は10名で、当時は1.5年の学業と2年の実習の3.5年課程で、1.5年の学業を終えた時が卒業でした。卒業の直前に濃尾地震が発生したため、第1回生と従来からいた看護婦10名のあわせて20名が救護活動を行いました。そして、1892(明治25)年5月には、第1回生第2回生合同の卒業証書授与式が行われ、赤十字の養成施設から初の看護婦が巣立っていきました。
2005(平成17)年に日本赤十字武蔵野短期大学が統合され、新しい「日本赤十字看護大学」になって10年になろうとしています。大学の統合とともに両校の同窓会も2009(平成20)年統合されました。本稿では、武蔵野で誕生した「さつき会」に焦点をあてたいと思います。
武蔵野赤十字病院が誕生したのは、昭和24年のことです。神崎三益初代病院長は、「学生のいない病院は、子どものいない家庭のようで寂しくて物足りない」、「医師、看護婦は車の両輪である」という強い信念のもと看護学校設立に尽力され、1952(昭和27)年、武蔵野赤十字高等看護学院が誕生しました。